育毛剤と発毛剤って違うの?併用は出来る?
- 公開日:2019/10/21
育毛と発毛はよく似ている言葉ですが、実は異なるアプローチであり、医学的な定義にも違いがあります。育毛剤と発毛剤の効果もそれぞれ違うため、薄毛治療の際にも原因と症状に合った薬を使用する必要があります。ここでは、育毛剤と発毛剤の作用の違いからそれぞれのメカニズム、薬を併用した場合の効果について具体的にお伝えしていきます。これから本格的に薄毛治療を始める方、薄毛治療を続けていても思うような効果が得られない方はぜひとも参考になさってください。
育毛と発毛は違うアプローチ
結論から言うと、育毛と発毛は異なるアプローチになります。育毛は頭皮環境を整え、成長期にある毛髪がさらに太く成長しやすいようにサポートする、という意味合いがあります。一方、発毛は毛根そのものの奥深くまで働きかけることで毛母細胞を活性化し、新たな毛髪が生み出されやすい環境を整えるアプローチになります。したがって、順序としては発毛のほうが先であり、まず発毛剤によって毛髪が生まれやすい環境を整えたあとで育毛剤によって毛髪をさらに強くする、というサイクルを早い段階でつくりだすことが薄毛治療のスタートラインとなります。
育毛剤と発毛剤の併用は可能
育毛剤と発毛剤の併用は、医学的には問題ありません。クリニックにおける薄毛治療でも、最初の段階では発毛剤によって頭皮環境を整えたうえで育毛剤に切り替える、という治療法がメインになっています。ただ、2つ以上の薬を併用する場合は、薬の作用の拮抗に注意する必要があります。薬を併用した場合、賦活と拮抗という結果が考えられ、拮抗が起きてしまうとせっかくの薬が最大限に作用しなくなってしまいます。薬そのものは拮抗を起こさなかったとしても、体質によっては予期せぬ皮膚トラブルが発生する可能性が考えられますので、複数の薬を併用する場合には念のため医師や薬剤師に相談をしましょう。
発毛周期を理解しよう
薄毛治療を効果的に進めるためにはまず、発毛周期を基本からおさえておく必要があります。1本の毛髪は1カ月から3カ月程度で抜け落ちると言われており、毛根期から成長期、退行期を経て日々、新しい髪の毛に生まれ変わっています。薄毛に至る原因としてはさまざまなパターンが考えられ、成長期の段階で何らかのトラブルが起きている場合は成長を促進するアプローチ、毛母細胞の段階で成長が阻害されている場合には発毛を促すアプローチが必要になります。自己判断で誤ったアプローチを続けているとかえって薄毛を悪化させる可能性がありますので、薬の効果が出ない場合には一度専門のクリニックを訪ねてみましょう。
薬を併用する前に
薄毛治療の効果が長期間にわたって得られない場合、当事者としてはついつい焦っていろいろな薬を併用したくなりますが、それは逆効果です。薬の組み合わせによってはお互いの成分が拮抗し合うことによって本来発揮されるはずの効果が阻害されてしまう、ということが起こり得ます。効果が阻害されるばかりでなく、薬の組み合わせによっては頭皮のかゆみや赤み、かぶれなどのトラブルが顕著になってしまう可能性も考えられますので、自己判断による多剤併用はさけ、専門医の指導管理のもと適切な治療を心がけましょう。
育毛剤と発毛剤では薄毛治療における役割が異なっており、本来であれば異なるタイミングで使用すべき薬とされています。複数の育毛剤、発毛剤を併用する際には自己判断は避け、必ず薬剤師や専門医のアドバイスのもと、適切な薬の使用を心がけましょう。