未成年でも育毛剤は使えるの？

日本では現在、若年性脱毛症が深刻な問題となりつつあります。若年性脱毛症と壮年期以降の薄毛では、発症のメカニズムなどに違いがあるのでしょうか。未成年者の薄毛と育毛剤との関係性を含め、若年性脱毛症にかかる原因や適切な対処法について具体的に見ていきましょう。若年性脱毛症に悩んでいる当事者の方はもちろんのこと、保護者の皆様もぜひとも参考になさってください。

育毛剤の分類を知ろう

日本国内で購入できる育毛剤には大きく、医薬品と医薬部外品の2つの分類があります。このうち、専門医の処方がなければ入手できないのが医薬品であり、医薬部外品のほうは処方なしでも一般的な薬局やドラッグストアなどで購入することができます。育毛剤としての効果が高いのは医薬品であり、なおかつ、専門医による長期的な指導管理によって薬の作用がチェックされるというメリットがあります。価格のほうは医薬品のほうがやや高い傾向があり、薄毛の症状によっては保険適用外となる場合もあります。医薬部外品であれば比較的安いコストで購入できますが、必ずしも頭皮の状態にマッチしているとはかぎりませんので、慣れないうちは薬剤師などに相談しつつ、時間をかけて商品を選びましょう。

未成年者に医薬品は使えない

育毛剤は医薬品と医薬部外品に分類されていますが、医薬品のほうは薬としての刺激が強く、アレルギーの可能性があるため、現状では未成年者への処方は認められていません。一方、医薬部外品のほうは年齢制限がなく、未成年者であっても購入して使用することができますが、思春期のうちは特に頭皮が敏感であり、たとえ軽い薬であってもかぶれや赤みが起きるリスクがあります。そのため、若年性脱毛症に対しては薬物療法以外のアプローチもあわせて検討するのが標準的な選択肢とされています。

深刻化する思春期脱毛症とは

若いからといって育毛剤と無縁でいられるわけではありません。日本ではここ数年、若年性脱毛症が深刻な問題となっており、特に思春期のうちから脱毛症が深刻化してしまうと、その後の人生にも大きな影響を与えてしまいます。思春期脱毛症の原因としては遺伝性や精神的ストレス、抜毛症などがあり、安易に育毛剤を使用するのではなく、薄毛の原因をきちんと特定したうえで治療アプローチを組み立てていく必要があります。思春期は男女ともにルックスに敏感になる時期であり、薄毛がダイレクトにコンプレックスにつながってしまう年代でもあります。思春期脱毛症に対しては周囲もセンシティブになることなく、本人のストレス軽減を最優先にしつつ長期的にケアしていくのが基本となります。

知っておきたい薄毛と脱毛症の違い

薄毛と脱毛症は、一般的には同じようなニュアンスで使われがちですが、実は意味の異なる言葉です。脱毛症とは、何らかの原因によって毛髪が長期的に生えにくくなる病気、のことであり、医学的な治療の対象となります。一方、薄毛は単純に髪の毛が薄くなっていく現象の総称であり、加齢による薄毛もこれに含まれます。薄毛も脱毛症もクリニックにおいて治療可能ですし、専用の育毛剤も続々とリリースされていますので、治療のハードルはここ数年でさらに低くなっています。

未成年の薄毛は一時的？

ストレスによる思春期脱毛症の場合、思春期特有のストレスや環境が改善されれば一時的な症状のみでおさまる場合があります。したがって、周囲もいたずらに治療を急がせるのではなく、平常通りにゆとりをもって構えていたほうが治癒が早まる可能性もあります。
日本でもここ数年増えている若年性脱毛症。特に思春期脱毛症が深刻化しつつあります。医薬品分類の育毛剤は未成年者には処方することができませんが、医薬部外品であれば未成年者であっても使用することができますので、治療の選択肢は確保されています。