薄毛や抜け毛の原因

十代・二十代には考えもしなかった男性も、三十代、四十代となるうちには、だんだん髪にボリュームがなくなり、人によっては生え際が後退してくるなど、薄毛や抜け毛の悩みを持つ人が増えてきます。あわてて高価な発毛剤を購入する前に、自分の薄毛・抜け毛の原因を考えたほうがいいでしょう。原因によって、対策や選ぶ発毛剤・育毛剤が全然ちがうことがあるからです。また、女性の薄毛の原因は男性とは違うことが主です。抜け毛・毛が薄くなってしまう主な原因を説明します。

髪の毛の生えるサイクル

髪の毛は生え始めから抜け落ちるまでのサイクルを、全体の85%～90%の成長期、1%の移行期、その他の毛根が退化してから抜けてしまうまでの休止期という3つの種類に分けられます。成長期は約2～6年くらい、その後の移行期では約2週間、休止期に入って抜け落ちるまでは約3か月です。人間の髪の毛は一日50本～100本くらいは自然に抜けるので心配ありませんが、150本以上になると異常といえます。それでは抜け毛や薄くなってしまう頭髪の原因を見ていきましょう。

男性に多い男性型脱毛症（AGA)と壮年性脱毛症

男性ホルモンの影響で、毛母細胞を生成する酵素を抑制してしまうことで、髪の毛が細く、弱くなってしまう症状です。遺伝との関係が深いので、父親や祖父など、家族に薄毛の男性がいればその可能性が高いと言えます。早い人では20代から始まります。特徴として、髪の毛は薄くなるのですが、ヒゲなど男性ホルモンの影響を受けるものはかえって濃くなったりする傾向があります。遺伝のほかにストレスや、食生活なども原因になる事があり、頭頂部や前頭部から薄くなっていくことが多いようです。

そのほかの代表的な原因

男性ホルモンの影響のほかには、血行不良や脂漏によるもの、頭皮の緊張によるものなどがあります。運動不足などで血行不良の場合は、毛頭部の毛細血管の血流が悪くなり、髪の毛に栄養が行き渡らないことで、髪が弱くなりやがて抜けてしまいます。そして特に男性では脂漏性のことも多く、皮脂で毛根が詰まり、炎症を起こすことで髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。脂漏性皮膚炎が原因で髪が抜けることもあるので、フケがひどくかゆみがあるようなときは皮膚科などを受診しましょう。頭皮の緊張というのは、骨の成長により、頭皮と頭蓋骨の間の毛細血管が圧迫され、血流が悪くなることで髪の毛の成長に影響することです。

病気が原因の薄毛・抜け毛

抜け毛の原因が病気の場合もあります。円形脱毛症などもそのひとつで、ストレスが原因と思われがちですが、実際は原因がストレスの場合は約3割で、あとは自己免疫不全などが原因と言われています。男性より子どもや女性がなりやすいようです。粃糠性脱毛症は脂漏性脱毛症で、皮膚炎が原因です。また甲状腺機能低下症や膠原病、関節リウマチ、梅毒やヘルペスウィルスなどでも脱毛症になることがあります。その他に、自己抜毛症（トリコチロマニア）は、自分で無意識のうちに髪の毛を抜いてしまう心の病気で、子どもに多く見られます。

髪の毛は日々抜けていきます。しかしその本数が明らかに多い場合、何が原因なのかを調べたほうが良いかもしれません。遺伝による影響ももちろんありますが、男性に多く見られるAGAなど最近では治療法が確立されている薄毛・抜け毛対策も増えて来ています。また、単なる薄毛や抜け毛ではなく、何かしらの病気が起因する場合もあります。育毛剤を使うことで薄毛が改善されない場合は、一度病院で診断してもらうことも視野に入れておくと良いでしょう。